萬古焼 窯元めぐり①三鈴陶器さん
三重県の地場産業、
萬古焼の窯元さんへお伺いしてきました。
BROOKのある四日市から車で30分ほど
三重県菰野町という山に近いところに三鈴陶器さんはあります。
三鈴陶器さんは4th-marketさんの窯元の一つで
主に土鍋、耐熱の器を作られています。
4thさんの耐熱食器も三鈴陶器さんで作られているのです。
様々な陶器がありますが、
今回、三鈴陶器さんの土鍋と4th-marketの土鍋に着目していきます!
三鈴陶器さんは創業昭和40年、創業以来約50年間、
土鍋の製造をされている土鍋のスペシャリストです。
なんと耐熱陶器を製造できるのは現在5社程度しかないとのこと。驚き!
そして更に、土鍋の多くは白い土で作られていますが
(お持ちの土鍋の外側底を見ると白が多いのでは?)
三鈴陶器さんは4色の土を使って
様々なカラーの土鍋を作ることができる数少ない技術を持った窯元なのです。
白、黒、黄、赤の4色。
4thさんの土鍋にもあまり見かけない色の土鍋がありますが
繊細なこだわりと窯元さんの熟練した技術からなるものがありました。
個人的にこの珍しいカラーの土鍋たちはどうして他にないのか?
と疑問に思っていたので今回謎が溶けました!
BROOKにある4thさんの白、黒、赤の鍋(この時黄は完売中でした)
4th-market のロゴが型に入っていて全てにあります。
こんなに細かく綺麗にできるんですね。
とにかく 凄い の言葉ばかりを連発です。
元々土鍋は伊賀焼が始まりで、
今からちょうど50年前に
より丈夫な製法を始めたのが萬古焼でした。
そこから爆発的に全国に広がり、
萬古焼の土鍋が有名となりました。
三鈴陶器さんは小学校などの建物を譲り受け移築した木造の建物。
どこか懐かしい雰囲気です。
お待たせしました、それでは製造の現場へ。
土鍋は主に動力成形という成形方法で作られています。
この時、職人さんが作っていたのは
4th-marketさんの土鍋フエゴの蓋。
こちらが4thさんのフエゴです。↓
あ、土が仕分けられてありました。
こちらは動画
→ フエゴ蓋 動力成形の様子
こちらは動画
→ フエゴ蓋 製造過程 蒸気穴を空ける瞬間
優しい職人さんが近くで成形の様子を見せてくれました!
綺麗に削れて形取られる様子はあっという間でした。
蒸気穴をすっと空ける、
一瞬の職人技にただただ綺麗の言葉ばかりです。
そのお隣では違う鍋の削りと取手をつけていました。
削っている様子
↓ 上が削る前、下が削った後
(ざらっとしていますね)
そして取っ手が付きます。
はい、先程のフエゴ蓋ですが
1時間ほどで石膏(型)が水分を吸い、
すると生地が少し縮み型から抜けます。
そして削り、手付けへと進んで行き、
更に乾燥させ、仕上げへ。
順を追ってきて、
ここまでくると おぉー!と声が出てしまいます!
そしてそして、
素焼き→施釉→本焼成→冷却 と進むのです。
写真はこれから素焼きになる鍋たち。
下の方にフエゴ蓋らしき子がいますね。
フエゴ蓋とはここでお別れ。
素敵な鍋に出来上がりますように!
少し移動しまして、
こちらで素焼きの鍋たちが待っていました!
たくさんありますね、凄い数。
でもなんとも綺麗な光景です。
右上端に写っている四角い茶色のものが素焼き窯でここで最初に焼かれます。
こちらではスプレーで施釉をされていました。
こちらは動画
→ 施釉スプレー中
濃淡やぼかしを入れたりすることができるそうです。
そして下のような仕上がりに。
どんな色になるのでしょう?
更に奥へと案内されまして、
本焼成のトンネル窯をぐるっと一周。
こちらは動画
→ トンネル窯 一周中(動画一瞬です、、)
25mのトンネル窯は24時間かけて台車が動きます。
窯周辺は暖かく、最高温度は1175度。
こちら窯の入り口。赤い炎がちらっと見えます。
↓カメラに全長は写り切りませんでした。
↑ 黒い鍋は出てきて少し時間が経ったもの、
ほんのりあたたかかったです。
そうして出来た鍋たちは梱包されて各地へと運ばれて行きます。
と、土鍋ができるまでをご紹介させていただきました。
様々な土鍋、耐熱陶器を製作する中で
4th-marketさんの器は
量産はできないけれど
デザイン、釉薬など細かなところにこだわり、
三鈴陶器さんの昔からの技術と経験を活かして
新しい釉薬を使うなどのチャレンジしながらできている。
ひと手間もふた手間もかけていいものを作ろうと、
考えられて作られたものでした。
まさに4th-marketさんのブランドの特徴ですね。
完成形をいつも見ていますが、
出来上がるまでの丁寧な工程を間近で見ることができて
大変貴重な時間と経験となりました。
4thさんの器が素敵な理由を改めて知ることができました。
初めて見る現場は
どの工程も見惚れるくらいに
とても丁寧で、綺麗で
ただただ感動ばかりでした。
長々と
ここまでお付き合いくださりありがとうございます。
焼き物、萬古焼の魅力少しでも伝わりましたら幸いです。
私は急ぎ、4thさんの土鍋を使いたくなりました。