萬古焼 窯元めぐり③竹政製陶さん
三重県の地場産業、
萬古焼の窯元さんへお伺いしてきました。
BROOKから車で15分ほど
同じ三重県四日市市内に竹政製陶さんはあります。
竹政製陶さんは
全国でも数少ない耐熱直火が可能な煎じ土瓶をはじめ、
60年変わらない形の目玉焼き鍋など様々な陶器をつくり続けています。
そして、4th-marketさんの窯元の一つでもあります。
3箇所目の窯元となる竹政製陶さん
工場内をぐるりと5代目竹内さん案内の元
戦前から使用している工場内を
見学させて頂きました。
最初に出会ったのは大きなガスボンベ。
ずらっと5本。
1回の窯焼きで1本使うそうです。
ガスの前は重油←石炭←薪
と燃料を遡るだけで歴史がありますね。
ガスは安定して焼けるそうです。
次に見せて頂いたのは
圧力成形に使う型の
型を抜く型です!
陶器の成形に使う型は白いですが
型の型は青色。
綺麗な色です。
初めて見ました。
型が作られ、
その型で石膏(白い型)ができ、
そこに土が入り
陶器ができる。
と、型型言いましたが大切な部分です。
型ができないと作れません。
写真の通り
既に細かい技術が見られますね。
カモノハシの箸置きの型
たくさんの石膏がずっしりと並んでいました。
こちらは使い古した石膏。
隣にあるものと比べると
随分使い込まれたことがわかります。
進みます!
圧力成形の作業場を見せて頂きました。
圧力成形は
先程紹介した石膏の上下を合わせ、
穴から中に土を流し入れ成形する技法。
ひとつひとつを手で
職人さんが型から外す段階でした。
こちらは動画 →職人技が光る、型から外す瞬間
外したてを触らせて頂きましたが
乾く前はしっとりとしていました。
重量のある石膏を積み上げて作ります。
見るからに重量感ある型。
持たせて頂きましたが
想像より結構な重さに驚き、
すぐに腰が砕けそう。。
大きくなるともっともっと重い。
並々ならぬ繊細な力仕事です!
笑顔が眩しい職人さん
ありがとうございました!
と、
その横にこんなに型がずーんと!
あの重さがこんなにたくさん、
最初は綺麗だなぁと思ってましたが
凄すぎて感服致しました。
次に、
先に話しました
煎じ土瓶を作るガバ鋳込みの製造です。
土瓶や花瓶の様な
中が空洞の口がすぼまったものを成形するガバ鋳込み。
型に土を流し入れ、
石膏に面している部分が形になり、
石膏をひっくり返し、
中の固まらないをガバッと落とす。
少しずつ角度を変えて
微調整しながら成形していくそうです。
楕円な機械を一周させて作られて行きます。
そうして型から外れた土瓶がこちら。
土瓶の本体ですね。
その本体に
こちらのパーツたちが組み合わさります。
写真は注ぎ口部分。
先端をカットして作るとのこと。
カットしていると知りませんでした。
5つのパーツを使って1つの土瓶が完成します。
ところどころに
たくさんの細かい作業、技術がありました。
こちらは動力成形の機械。
三鈴陶器さん、山口陶器さんにて拝見しましたが
竹政製陶さんでは細かい削り作業に使っているそうです。
手前にある蓋のつまみに角度をつける、
などといった作業です。
そしてそして!
次に目にしたのは
土を作っている工程です。
こちらは動画→土を配合して混ぜている様子
この奥では耐熱陶器の圧力成形をされていました。
こちらももちろん初めて目にします!
動力成形の上下タイプ。
なんだかわくわくする形の機械ですね。
実際に作動して頂きました!
こちらは動画→動作中
こちらではスポンジを使って
焼く前の器を磨いていました。
4thさんのロティの取手も
こちらでくり抜いているそうです。↓
たくさんの4thさんの器たちが
焼き待ちしていました。
ほんと、この状態でもかわいいです。
一際気になったのが
4thさんの陶器のスプーン。
こっちにも!
5本を棒に通してぶら下げて焼くそうです。
面白いですね。
色付きの陶製スプーンは珍しいのです。
確かに見かけませんよね。
残念ながらBROOKにはありませんが
色味はこちらのラディッシュココットと同じ。
雰囲気だけでも、、
工場の真ん中にそびえ立つレンガの煙突。
今は使われていないですが
昔はいくつもの煙突が立ち並ぶ地域で
小さい頃は煙突に描かれた屋号を目印に家へ帰ってきたと
仰っておりました。
写真は半分くらいですが
元々は上までレンガがあったそうです。
小さい頃から代々受け継がれたものが
今も尚続いている素晴らしい反面
無くなってしまった煙突(窯の跡地)には
今はアパートなど住宅が建っていると。
こうした窯元さんの減少もまた事実。
続けて残して行くためにも
微力ながら力になりたいと思いました。
新しいこと、
時代に合ったもの
土が取れないこの地だからこそ
良いものを集め、
土を作るところから始め
伝統だけではなく
新しいもの作りをし続けることができる
それが萬古焼の良いところ、
と竹内さんは仰いました。
変化を恐れずに
いろんなことができる萬古焼。
そんな中で4th-marketは
“ずっと変わらない定番のもの”
として生まれたブランド。
何年経っても使いたい、
それが4th-market。
チャレンジの中で
新しくかつ長くは
何となく永遠のテーマの様に思えました。
貴重なお時間、
お話ありがとうございました。
最後になりますが
器たちと工場内の写真で終わります。
本当にものつくりの現場は美しいです。
ありがとうございました。
昔の釉薬入れ
4th-market シュケル
4th-market ミルヒ
4th-market クオリ
4th-market リコッタ ミルクパン
シャトル窯