地域材「杉」「ヒノキ」のこと


ブルックの家具は三重県を中心とした地域材「杉」「ヒノキ」を使用して家具作りをしています。

一般的には住宅建築に採用され、家具ではあまりなじみのない材料ですが材木屋三代目でもある代表の坂が20年にわたる経験をもとにそれらを採用した家具を製作し販売しています。

使用する材料は管理された森から伐出されている材料を選定しています。
山に手が入っている材料は、材料も良材が見込めることはもちろんですがその歴史が大切だと考えています。木材業は100年周期で物事を考えます。100年後を考え、この森をどう育てるべきかということを管理してきた森は100年後も途絶えることはありません。伐採して木を植えるという、昔からあたりまえのようにしてきたことを当たり前に繰り返し、使用していくことで持続可能な森となり未来の豊かな森を創造することができます。

<地域材へのこだわり>
九州でも四国でも木材の産地は全国に点在し、ホームセンターなどでは特に九州の材料を頻繁に目にすることがあります。木材は運搬するにもトレーラーなど大きな車が必要で、排出されるガスは言うまでもありません。地元の木を使うことは、運搬のロス、コスト、地球環境への影響を考えたときにあたりまえに良いと思えます。しかしながら、大量生産している工場から大量に流れる材料はスケールメリットもあり安価に流通することで全国の消費者に使用されています。それが悪だとは思いません。それも、日本の木材産地を支えるものなので良いかと思っています。

私は地域の材料を使うことは地域の先人の想いを繋ぐことだと思っています。

戦後敗戦国日本の森は、戦時中に消費した多くの資源を日本の森から得ていたためどこもかしこもハゲ山になっていました。そのため雨が降ると土砂災害が発生することもしばしば。エネルギー革命もあり、石炭の需要が減少すると考えられたことで国策として住まいに使えることと成長の早い「杉」「ヒノキ」といった針葉樹が全国で植樹されることになりました。

この木が育てば、住まいが作れる。
次の世代に平和な暮らしができるように。
この地域でが豊かな暮らしができるように。

地元の先人の方たちが、私たちを想い、植えてくれた材料です。
全国で森が荒廃している個所の多い現状で私たちは次の世代を見据えて地元の材料を使い、次の次の世代があの時の先人の方たちが森林資源を使い、考えてくれたことでこの地域は森が豊かで空気が澄み、きれいな水が飲めるって感じてもらえることが私たちの責任であり、私の使命だと思っています。

だから地域の材料にこだわっています。

適正価格で扱い、地域や近隣の都市圏の人たちにそんな想いを少しで感じてもらえるととても嬉しいです。
そしてそれが全国の多くの地域で広がると、100年後の日本の森は確実に変わると信じています。

「杉」

杉は柔らかくて作業性が良い材料です。
私は杉のマットな感じがとても好きで、実店舗にもテーブルやカウンター等に多用しています。シェルフを作成する際は、主に杉でご提案することが多くコストパフォーマンスにも優れ、シンプルで質感の良い家具が完成します。
柔らかいことで傷もつきやすいですが、昔よく使われた足場板のように傷がつくほどに味わい深くなり年数を経た杉の家具は、オリジナルアンティーク家具のようで自身にとってなくてはならない家具になっていきます。

「ヒノキ」

ヒノキはテーブルやカウンター等に多く採用します。
香りも良く、水に強いという特性から「ヒノキ風呂」といったお風呂に使われたりするほどです。
とはいえ、家具材料としては柔らかい部類に入ります。
経年変化では飴色に、傷もつきますがこれも杉と同様良い味わいとなって暮らしに溶け込んでいきます。
ヒノキは昔から高級材として扱われ、和室などの特別な場所に採用されてきました。そのため、和のイメージが強くありますが私はそれは日本らしさであると思っています。アイアンと組み合わせたとき、和でも洋でもないブルックらしい質感を感じていただけると考えています。

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